タイトル:男友達
日曜日、日帰りで温泉に行った。
行き先は湯の花温泉だ。
前日は雨だったのでどうなることかと思っていたが、朝が訪れるとまるで春のような気持ちのいい天気になった。
その朝、私の部屋には四人の友人がいた。
うち三人は引っ越しを手伝ってもらった後そのまま泊まってもらい、
もう一人は夜に発売初日のプレイステーション2を下げてやってきた。
「おおっ、これがあのプレステ2か。結構小さいなー!!」
私の段取りでは、夜中にでも近くにあるラーメン横綱に皆を連れて行ってやろうと考えていたが、
そんな暇もないままにいい大人が五人集まって朝方まで延々とプレステ2に熱中してしまった。
雨戸を開けると(あいつらはよく叫ぶので雨戸が必要であった。
かくいう私も「何でここでドリフト失
敗するんやー!!」などとやってはいたが)、
煙草三箱分ほどの淀んだ空気と男臭さが朝の冷たい空気に洗われて非常に清々しい気分になった。
馴染みのマクドで腹ごしらえをした後、友人のパジェロでいざ出発。
車内ではひたすらバカ話をする。
関西では、こういう時に笑いが取れるやつが一番尊敬される。
隣で寝始めたAの頭を張って叩き起こす。
ちなみに、私の初ネタである駅弁の話は爆笑を誘い一安心。
ライダーの間では有名な峠の喫茶店でコーヒーを味わうと、そのまま一気に温泉街に向かった。
湯の花温泉は空いていた。
これも不景気のあおりだろうか。
ここには幾度となく来たことがあるが、いつも通過するばかりで、落ち着いて湯に浸かるのは初めてのことだ。
部屋を借りるつもりはなかったので、温泉だけを楽しめる宿を探すと、大人800円ですぐに見つかった。
駐車場に車を放り込んで、そそくさと湯に向かう。
脱衣場で服を脱ぐと、人それぞれで面白い。
手拭いで前を隠す者もいれば、私のように見るなら見ろと言わんばかりに開けっ広げに晒す者もいる。
「おまえら全然運動してないなー」
友人たちのビール腹に一言くれてやると、「あほ、それだけ人生楽しんでるんや!!」
なるほど、一理ある。
私がスポーツクラブに投資している時間を他に回せば、なんなりと楽しめるだろう。
健康をとるか、遊びをとるか、どちらがいいとは確かに言えない。
両方とれば良いのはわかっているが、人生そうも器用にいかない。
檜の湯舟を出たり入ったり、バカ話や下ネタをしたりで、みっちり二時間は楽しんだ。
喉がからからになる。
宿を後にすると、食事処を見て回った。
が、どれもこれも構えだけの店で、かといってチェーン店という気分にもなれない。
天気も良かったので、結局、河原で飲むことにした。
保津川だ。
買い出しを済ませると、チーズ鱈やらナッツやらコロッケをあてに缶ビールを皆すさまじいピッチで空けていく。
(美味かったな、あの時のビールは)
飲むほどにだんだん場が静かになっていった。
昨夜は徹夜であり、この気持ち良さだ。
眠るのは無理もない。
今度は私も隣で寝息を立てているAの頭を張ることはしなかった。
頬に当たった小石で起こされた。
「ぼちぼち帰るで」
時計を見れば四時半だ。
地元に着いたのが七時。
皆、おそろしく腹が減っていたので飲み直しだ。
「今夜は俺がおごる」
私がそう言うと「よっしゃ、爆発すんでー!!」とすかさず返ってくる。
爆発したところで男五人の大衆居酒屋だから二万もあれば事足りるだろうと計算していたが、
あいつらは本当に爆発しやがった。
カードがあって助かった。
またいつか飲ませてもらえるし、まあこれも投資だ。
家に戻ると夜11時。
眠ろうと部屋に入れば、Dが間抜けに貴重品ともいえるプレステ2を忘れて帰っている。
バカか、あいつは。
でも、私はそんな間抜けで豪快な友人たちが大好きだ...
とだらだら書いてしまったが、今回何を書きたかったかと言えば、
SMのパートナーも素晴らしいが、同性の友人も負けず劣らず素晴らしいということだ。
いくら素敵なパートナーがいても友人がいなければ、その魅力もありがたみも楽しさも、おそらくは半分以下だろう。
逆に友人はそんな喜びを倍にもしてくれる。
男というのは、ともすれば女性とのスケジュールを優先しがちになるけれど、
誘われた時はできるだけ気持ち良く受けてやろう。
今回、引っ越しを手伝ってもらったりで、改めてそう感じた。
来週は三連休だ。
さて、何をしようか。
昼間はあいつらとバーベQでもして、夜はSMを楽しめればいいんだけど、
世の中私中心で回っているわけでもないし。
いずれにしろ、三日ともどこかに出るだろうな。
皆さんもよい連休を。
shadow
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