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26日
旭川から出ている富良野行きの列車。時期が時期だけに混雑を予想していたが、意外にも空いていた。
富良野に着いたのでとりあえず駅周辺を散歩。ドラマ「北の国から」でお馴染みの場所も散見される。これは富良野の飲屋街。
昼飯は富良野名物オムカレーを食べた。画像では美味しそうに見えるかもしれないが、ルーの味は全くもって並だ。ただし、ここでもやはり野菜類が驚くほどに旨い。
富良野と言えば一面のラベンダー畑が有名だが、この時期まだ花々は咲いていないので駅前周辺の探訪のみを以て富良野を後にする。次に目指すは美瑛だ。駅に付くと早速レンタサイクルを借りてパッチワークの道へとサイクリング向かった。
自転車を漕ぐこと約30分、俺はやっとこさ北海道の大地に立った気がした。辺りの光景はまさにThis is 北海道。札幌も確かに北海道には違いないが、多少の雰囲気が違うだけで今や日本全国どの都市も似たようなものだ。北海道を体感したいのなら美瑛に行って自分の足で移動してみるのが良いと思う。多数の観光バスを見たが、窓越しでは感動も半減だろう。いや、感動しないかもしれない。坂の上から風を受けつつのダウンヒルが最高に気持ち良かった。だだっ広い大地に俺一人なので思わず絶叫したくなるし実際にやったが、大声を出すのもこれまた気持ちがいい。

22日
小樽商店街の渋い喫茶店。内装が気になったが、俺はコーヒーを飲まないので素通り。商店街の散策後、再び車窓の海を眺めつつ札幌へ戻る。
札幌の地下鉄は連結部分が変わっている。車幅も大阪市営地下鉄より若干長いようだ。線路の幅が違うのだろうか。
有名な味噌ラーメンの店「すみれ」へ行く。表面の厚いラード層により全く湯気が出ないのが特徴だ。一見冷めているように見えるのだが、中は最後まで熱い。美味しいのは美味しいのだが、やはり少々油っこい。ただし、真冬の北海道ならばこの油っこさがむしろちょうど良い筈で、単に俺がベストな時期に食べなかったに過ぎない。
続いて老舗味噌ラーメンの店「純連」へ向かう。老舗なのでストレートな味噌ラーメンを期待していたのだが、食べてびっくりすみれとかなり似ている。いや、すみれが純連に似ていると言うべきか。違いはラードの層がすみれに比べて少々薄いくらい。とても濃くて油気のある味噌味だ。好きな味だが、たて続けにこの味はさすがに飽きる。
味噌ラーメン2杯食べた後は札幌を後にして旭川へ向かう。翌日の天気が悪くはなかったので、富良野と美瑛への道中となる旭川で一泊することにしたのだ。到着したのは夜で雨も降っていたので、街の散策は止めて早めに寝ることにする。夜食は前日の朝に買った佐藤水産のおにぎり。ぬくぬく状態には遠く及ばないが、それでも美味しい。

21日
昼飯は「なると」で小樽名物若鶏の丸揚げを食べる。半分に切った鶏を内蔵だけ処理して豪快に揚げた感じ。15分ほどかけてじっくり揚げられたそれは表面カリカリ中ジューシー、余計な味付けがされていないので鶏肉の旨さが際立つ。
裏道の奥に飴屋を見つけたので買ってみたが、これが実に素朴でいい味だ。名物は中にあんこが入った雪たん飴。この飴は子供のおやつにあらず。今はすっかり観光スポットと化した小樽だが、その昔港が盛んだった頃、港湾労働者の手軽なエネルギー源として食べられたそうだ。昔版カロリーメイトのようなものだな。また小樽に行ってみたいと思うのはこの店に寄りたいからだ。
高台があったので腹ごなしを兼ねて登ってみた。この旅行では腹の減る間がない程にいろんなものを食べた。
小樽の寿司屋通り。興味はあったがおおよそ味の想像が付くのでどの店にも入らず。

20日
ジンギスカンを3皿食べたのでかなり腹が膨れていたが、本場の味噌ラーメンを食べるべく芳蘭へ。小細工されていない直球ど真ん中の味噌ラーメンで、後に食べたすみれよりもこっちの方が旅情を感じた分美味しかった。食後は徒歩もままならぬ満腹状態で宿へ。ここまで食べたのは何年振りだろうか。
翌朝は札幌駅前の佐藤水産にておにぎりの鮭とイクラを購入。まだ暖かいそれを小樽行きの列車待ちのベンチで食べる。感動的に美味しい。翌日に冷めたのを食べたが、暖かい状態に比べれば感動するまでの味ではない。ここのおにぎりは開店9時の購入と同時に食べるのが最も良い。とにかく美味しい。今旅のうまいもんベスト3位なり。
小樽への道中は車窓の海が美しい。海のすぐ横を走るので関西人には珍しくて楽しい。約20分はこういう光景が続いただろうか。
小樽運河のいわゆる写真やテレビでよく見るスポット。一度見たら十分だが、小樽にはまた行きたい。理由は後述。
メインスポットはそこそこに裏路地を散策。あちこちに古めかしい建物が目に付く。

19日
大通り公園名物トウロコシとジャガバターの屋台。夜にはジンギスカンと味噌ラーメンを食べるので腹を減らすべく後ろ髪を引かれつつもカット。
一旦宿に入り、サウナに入ってから再び夜の街へ。この日はカプセルホテルに泊まる。一泊2,980円なり。この手の宿は寝る場所は狭いが、どんなに立派な一流ホテルも叶わない風呂とサウナが魅力だ。夜のすすきの交差点。
あとこちからの呼び込みを振り払いつつ1時間ほど夜のすすきのを散策した後にジンギスカンの店だるまへ向かう。事前に下調べしたらここで食わずしてジンギスカンを語るなとあり、また地元の人からも推薦があったので迷わず選んだ。看板のイラストからしてこの店がタダモノでないことが伺える。
煙の充満する本店はとても狭く席もカウンターのみだが、それがかえって一人旅の者には入り易い。画像ではあまり伝わらないだろうが、この雰囲気は極めて大阪的だ。
席に着くと黙っていても炭火のコンロとジンギスカンがセットされる。ここのはラムではなくてマトンだそうで、少々通好みということになるのだろうか。臭みは全くなく普通に美味しかったが、何より店の雰囲気が良い。新タマネギが美味しく焼かずにそのままタレを付けて食べた。

15日
続いてスープカレーの店ピカンティーへ向かう。スープカレーをほとんど食べたことがないのであれこれ言えぬが、トワイライトの朝食と豚丼でかなり腹が膨れているにも関わらずネットの評判通りここのは美味しいというのがはっきりわかった。あっさりと完食。今回他でもスープカレーを食べたが、ここほど美味しいとは思わなかった。ただし、どこの店でも具の野菜がとても美味しかったのには驚いた。今回なぜ北海道でスープカレーが発展したのか食べてすぐにわかった。体の内からスパイスで暖まるからだ。よってどの店も辛さが幅広く選べるようになっている。俺にしてみればカレーといえば夏のイメージだが、北海道のスープカレーは冬の暖であったようだ。
食後は北海道大学キャンパス内を散歩。非常に牧歌的な雰囲気だが、実は札幌駅のすぐ近くにある。日本で一番素敵なキャンパスではないだろうか。大学の敷地内という物々しさはなく出入りは完全に自由で、市民公園の役割も果たしているようだ。
有名なキャンパス内にあるポプラ並木。
広大な北大キャンパスを散歩した後は札幌駅から大通り公園、そしてすすきのまで徒歩で移動する。街を知るにはやはり徒歩に限る。途中、時計台や旧領事館等を見物。資生堂パーラーならぬ雪印パーラーを発見するが、甘いものはあまり興味がないため素通り。確かに人は多いのだが大阪や東京のようなゴミゴミした感じはない。

14日
青函トンネルを抜けるとそこは北海道の大地。朝靄により幻想的な風景が広がる。
朝食1,500円は迷わずに申し込んだ。普段はご飯派だが、ここは洋食で。こんな優雅な朝飯は何年振りだろうか。総乗客数に対してのテーブル数はかなり少ないが、相席されることもなくのんびり食べさせてくれる。
札幌到着。22時間の旅は思ったよりも早く時間が過ぎた。もう少し乗っていたかったくらいだ。東京〜札幌間の豪華寝台列車カシオペアも有名だが、トワイライトエクスプレスに比べて15時間で着いてしまうのはいささかあっけないのではと思う。札幌はとても寒く真冬の服が欲しいくらいであったが、日中からは日が射してそれなりに暖かくなった。
先ずは帯広名物の豚丼を食べるべく札幌駅近くにある「十勝豚丼いっぴん」へ向かう。本来なら本場帯広で食べるべきだが、帯広をカットして青森の時間をより多く取る選択をした。出前でもないのにふた付きの丼がたまらない。これぞ正式な丼の出し方と言えよう。横にはみ出た肉が期待をそそる。ちなみに店内のポップによれば何故豚丼が名物になったのかといえば、昔北の大地では牛は農耕用、鶏は卵、豚は食用だったそうで、脂身の多い豚肉は労働者に好んで食べられたのが始まり。
フタを開けるとこんな具合。分厚く切られた肉が豚丼の特徴である。肉は未だかつて食べたことがない程に柔らかく、噛むたびに肉汁やら甘い油が口中に広がる。豚肉好きにはまさに「たまらん!!」丼だ。タレは鰻のそれと似ていて、店内や周辺には炭火で焼かれた香ばしい匂いが漂う。駅からは少々歩くものの、北海道は行くが帯広へは行かないという人は必ず寄るべき店だと言っておく。それでも今旅のうまいもんベスト5に入らないのは、いかに美味しいものが多かったかということだ。

13日
本も一冊持ち込んだが、明るい時間はひたすら車窓をぼんやり眺めながら旅を想い、人生を想った。この時間、まさにプライスレス。当日は残念ながら日本海に沈む夕日は見ることができなかった。車窓の光景で目立ったのが沿線のあちこちでカメラを構える鉄道マニアの人々。やはり相当目立つのか、一般の人も電車に気が付けばじっとこっちを注目しているのが車内からでもよくわかる。それらを見る度にいつもに増して特別な旅なのだと実感する。
夜のディナーコースは12,000円と値が張るので申し込まず、21〜23時のパブタイムに食堂車に行ってみた。どうせ満席だろうと諦め半分だったが、意外にもほぼ貸し切り状態だった。各自部屋で盛り上がっているのか、あるいは夜が長いので既に寝たのか?生ビール600円を2杯とミックスナッツ400円で小一時間ほど過ごす。給仕も暇そうなので頼んで写真を撮ってもらった。「どうぞご確認下さい。何度でも撮り直しますので」の一言にクルー全員に感じられる徹底したサービス精神の一端を見た。彼らが特別に訓練を受けていることは容易に想像できる。テーブルチャージやサービス料金も特に不要なのでとてもお得に優雅な時間を楽しめた。予算に限りがあるならディナーはパスしてパブタイムを狙うのが正解だ。トワイライトエクスプレス特製日本海懐石御膳6,000円もあるが、こちらは部屋食になるので注意。
食堂車にあるステンドグラス。実際は画像よりも格段に美しい。
22時頃部屋に戻って夕食。前菜は洋風オードブル。
メインの海鮮ちらし。程良い酔いで快眠と思いきや、結局眠れず。正確には半分起きて、半分寝ているような状態。ただし決して不快ということではなく、心地良かった。暗い中に響く線路の音が旅情を誘う。決してサービスではないだろうが、よく鳴らす警笛がまたいい。トワイライトエクスプレスは夜中によく停まるのだが、それがちょっとしたイベントになる。フェリーの長旅で途中港に寄ると意味もなくデッキに出てみたくなるのと同じだ。とても単純に時間が過ぎるので何かちょっとした変化が実に新鮮なのだ。ここはどこの駅なのだろうかとごそごそ起き、寝転んではまどろみ、その繰り返しで夜明けを迎える。

12日
出発して2,3時間で乗車記念品のワゴンサービスがある。ここでしか買えないと言われれば何か記念に欲しくなるのが人情。結局、スポーツタオル2,000円とストラップ600円を購入。今旅でケチるつもりはないので予定外の出費はいいのだが、旅の快適性を確保するために極限までしぼった荷物がいきなり増えた。札幌に到着したら即青森向けの荷物と共に札幌駅のロッカーに放り込む。
廊下。オリエント急行には負けるだろうが、密室殺人事件の舞台にはなり得そうだ。
サロンカー。良くも悪くも社交場といったような堅苦しい雰囲気ではなく気軽に利用できる。見晴らしは最高だ。ちなみにダイニングカーでの夕食も特にドレスコードなどは設定されない。
食堂車で昼の営業があるようなので行ってみたが、結局サービス終了時刻まで満席だった。予約もできないので1時になったら速攻で行った者勝ちだ。オムライスとエビフライのセット1,050円、ビーフカレーライス1,000円等場所を考えれば良心的な値段といえる。他にもトワイライトエクスプレスに乗る上でのテクニックを色々と得たので、もし乗る予定のある人は俺に相談するといいだろう。車内1食目はうなぎ弁当。あまり重たいものだと運動も全くできないので夜になっても腹が空かぬだろうと軽いものにした。いくら好物とは言え普段なら冷めたうなぎなど決して口にしないが、そこは雰囲気と旅の期待も手伝って美味しく食べられる。
食後にタイミング良くアイスクリームのサービスが来る。「とてもご好評頂いております」と言われれば記念に食わぬわけにはいかない。買ってみれば濃厚で美味しかったが、おもいっきりスジャータの名前が容器にある。今思えばこれと美瑛で食べたラベンダーソフトクリームが唯一のスイーツだった。

8日
前日になってもまだ長期旅行に行く実感がなかったのだが、この表示を見てようやく心身共に旅の始まりを感じた。
トワイライトエクスプレスの中で最も豪華なのが最後尾に位置するロイヤルスイート。この部屋を確保するにはなにがしかのコネが必要で、一般人が普通に緑の窓口ではまず買えぬ。ちなみにこの部屋の夫婦と話を話をしたところ、トワイライトエクスプレスに乗るためにわざわざ朝の新幹線で東京からやってきたそうで、またこれで北上するわけだ。並の特急ならばホームに入って10分も停車しないが、トワイライトエクスプレスは堂々の約20分で、休日喧噪の大阪駅においてひときわ異彩を放つ。
貴婦人と呼ばれているのはトワイタイトエクスプレスだったかカシオペアの方だったか?車体の色は俺が好きな昔のジャガーのダークグリーンに似ていて落ち着きがある。
これが国内最長路線22時間を誇る札幌までの俺のプライベートスペースで、部屋名はシングルツイン。世辞にも広いとは言えないが、決して不満はなかった。
ツインとあるのは梯子上のベットと併せて上下で二人寝れるから。下の座席も折り畳めばベットになる。今回は一人旅なので上のスペースを荷物置き場とした。

7日
やはり旅はいい、最高だ。今回は全て見知らぬ土地であったので、その日その日の綱渡り感が俺のような人間にはたまらなかった。渡る前のドキドキ感、渡り切った後の満足感。パックツアーが大嫌いな俺には日々行きあたりばったりが良い。意外だったのは北海道よりも青森の方が気に入ったということ。中でも酸ヶ湯温泉の衝撃と公設市場で食べた朝食のウニの味が忘れ難い。今回の旅では計900枚程の写真を撮った。例えば登山などでは体力や精神力と撮影の枚数が見事に比例するそうだが、そういう意味においてもこれだけ多くを撮ったということは実に気持ちの良い旅であった。明日からしばらくの間は写真の一部を紹介し、そのコメントをもって雑記としたい。

翌月の雑記へ