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29日
鴨肉麺。日本の鴨南蛮に相当する一杯だが、味の奥深さは日本のそれと比べて随分浅い。どうやら台湾人は鴨肉の扱いがわかっていないようだ。鴨南蛮と言えば肉そのものよりも鴨の脂が滲み出ただしにこそ味の真骨頂があると思うのだが、台湾ではあくまで肉がメインであり鴨脂の甘みを楽しむという発想がないようだ。これは実にもったいないことである。あるいは、南国なのでそもそも鴨に脂が乗っていないということもあり得るが、いずれにせよ日本のそれとは目の付け所が随分異なる一杯。反面、ロースト肉はとても美味しかった。店の看板からして鶏、鴨、ガチョウのいずれかだと思うが、そのいずれかはわからない。ただし、燻された皮が身よりも圧倒的に美味しかったので北京ダックに近い感じ、ということはガチョウだろうか。あまりに美味しく、かなりの量で1パック300円相当と安かったので、その場で食べたのとは別にホテルでの大相撲観戦with缶ビール用にもう一パック買った。
台湾ではどこの街角でも見かける豆乳屋での朝食。様々な組み合わせが可能だが、中でも豆乳、揚げ麩、卵焼きの三点セットが最強ではないか。強烈な二日酔いの朝でもこれならば積極的に食べたいと思うような、そんな極めて優しい味だ。日本的な味でもあり、これを嫌いな人はいないと思う。豆乳と揚げ麩はほんのり甘くて実に美味しい。豆乳屋には他にも肉包(豚まん)やら葱餅など魅力的な品々が並ぶが、美味しいからといって肉包などを食べ過ぎてしまうと朝から相当腹が膨れるので注意を要する。

25日
居並ぶ屋台に人、人、人。これぞアジアの熱気。
スイーツもどこか懐かしい雰囲気がある。まるで俺が小学生だった頃の町の洋菓子屋のようだ。台湾のそこかしこに昔の日本の面影を見るのは俺だけではないはず。そこがまた台湾の大きな魅力でもある。
結局今回も食ってしまった鰻重。海外旅行で日本食を食べること程バカらしいものはないと思うが、好物なのだから仕方がない。土用の丑も近く、しかも安いので、行くしかないだろ。
ホテル近くの大衆食堂にて。魯肉飯、貢丸湯、ソウショウ麺。鰻重の店は別にして、結局今回もレストラン以上の店には一軒も行かなかった。正直、俺でさえ入りにくいと感じる店がほとんどであったが、その一線を越えると素晴らしき台湾庶民の味が激安で楽しめる。ちなみにソウショウ麺とは二種類のソースがかかっておりジャジャ麺と坦々麺の味を一皿で楽しめる混ぜ麺、とは俺が事前に学んだ知識だが、食べてみればやたらと胡麻のコクが効いた辛みの抜けた坦々麺といった具合。最も、これはこれで大いにありだ。俺にとって台湾旅行の醍醐味とはこういう未知なる食との出会いに尽きる。

21日
のんびりとした盆休みだった。野宿で一泊した以外は朝8時から夕方まで高校野球を見ながら投球の合間に読書、そして更に合間に時折届くサイト関係のメールに返信と言った具合。ずいぶんせわしく聞こえるかもしれないが、俺的には最高にリラックスしている。水尾で行った野宿は奇跡的に大した雨にも合わず、時折落ちてきた雨粒も木陰に入れば十分しのげる程度で、おかげで焚き火で炊いた飯ごう飯を楽しむことができた。炊き立てのそれに醤油をちょろっと垂らし、缶詰で食らう。三ツ星レストランを遙かに凌駕する旨さだ。まあ、行ったことないが。今年は俺のサイトに調教依頼をしてきたM女の小学生の息子も同伴した。女手一つで育てており、また、彼女は酷い鬱病でもあるので夏休みにも関わらず何処にも連れて行ってやれず、ぜひ一緒に連れて行ってやってくれとのこと。「雨が降ればテントもタープもないので、一晩中傘をさしながら木陰に座ることもあるが、それでも文句言わぬのなら」という条件を飲んだので同伴。結果、とても楽しんでいたようだ。三ツ星か否かは別にして、俺の炊いた飯ごう飯を「今まで食べた中で一番美味しい」と言っていた。俺が幼稚園時代から愛用していたスプーンを濁流に落としやがったが、何より二人であれば真夜中に不気味な音がしたり妙なものが視界に入っても全く怖くないのがいい。これが一人なら夜明けまでの時間の長いこと長いこと。まあ、たまには二人で行くのもありか。

19日
人生初めて食べた仏跳湯。干しアワビや干し貝柱、その他フカヒレやナマコなど山海の珍味を漢方入りのスープでじっくり煮込んだもの。あまりの美味そうな匂いに仏様もたまらず飛んで来た、というのが名の由来。80台湾元ということは日本円に換算すれば約3倍の240円である。ちょっと安過ぎないか?まさに素晴らしきかな台湾。更には、この手の店ではドリンク類持込自由、ちゅうか水など出してくれないので、更に割安で飲み食いできる。
仏跳湯を食べた店。店と言っても厨房とテーブル二つが道端にあるのみ。女性にとっては極めて入りにくい(座りにくい)店だと言える。俺が好んで行くのはこんな店ばかりだ。
仏跳湯を食べた店の正面にある店での乾麺(混ぜ麺)と貢丸湯(肉団子スープ)。夏場ゆえ汁系の麺は避けて乾麺をあちこちで食べたが、ここのが一番美味しかった。

16日
屋台では寿司屋もある。とにかくカラフルだが、食べてないので味の方は不明。果たして寿司飯に酢は効いているのだろうか?
排骨飯(パイコーファン)。三日三晩秘伝のタレにつけ込んだというジューシーな排骨が実に旨かった。次回も必ず食べたい一杯。
排骨飯はこの画像の奥に写る店で食べた。右に映るはセブンイレブン。台北市内でのコンビニ率は日本のそれと変わりない。
水餃子はとにかくモチモチした皮が美味しい。餃子は皮が命と言うが、それは水餃子のことだ。焼き餃子でそんなことを言っている奴は一度本場の水餃子を食べた方がいい。とりあえずパリパリしていればそれで良いといったような低い次元の話ではない。

11日
台湾の首都である台北は人々の人情が薄れたと言われているそうだが、それでも街中に野良犬や野良猫がたくさんいてちゃんと共存できている。日本ではもう決して見ることのできない光景だ。昨今の都会では野良猫一匹さえ許容できぬまでに心の余裕がなくった。台湾では野良犬があちこちで寝ていたりして、うっかり踏みそうになることも多い。
台北市北部にある海の街淡水でのみ見ることができるイカの丸揚げ。豪快にも程があると思うが。俺が食えば良く似合うとの声も聞こえてきそうだが、おやつにしてはかなりのボリュームなので未だ口にしていない。イカの丸揚げはどの屋台でもフレーバーがやたらに多い。
これはワンタンなのだが、日本人の俺にはどう見ても巨大スープ餃子といったところ。こんな店が早朝から開いていたりする。その他粥屋、豆乳屋、おにぎり屋、台湾バーガー、台湾ドック、葱餅屋、豚まん、麺...等々たくさんの屋台や小店が町々にあって台湾は朝飯天国でもある。
コンビニにてMELONAなるアイスクリームを発見。気になったので食べてみたら濃厚メロン味といったところ。美味しかったが、アイスクリームは食べると余計に喉が乾くので結局その後ビールを飲むことに。台湾ビールはオリオンビールに似た味で美味しく、一缶100円程度。今回もよく飲んだ。130円程でプレミア仕様もあるが日本の普通のビールに近く、俺は安い方が独特の地ビール風の癖があって好きだ。

7日
台湾の夏はかき氷天国でもある。マンゴーかき氷を筆頭にいろいろなかき氷が美味しくて、かつ安い。写真は美景夜市にあるセルフ式かき氷店のトッピングだ。何とも華やかである。各自好きなだけ皿に入れたら、その上にかき氷と黒蜜をかけてくれるシステム。黒蜜シロップはどこか懐かしく素朴で食べ飽きない味だ。これで一杯100円しないのだから、もしこんな店が家の近所にあれば夏は毎日食べに行くだろう。
「行列」及び「店頭調理の作り置きなし」。この二点をクリアしていれば先ず外れることはない。列を見つける度にあちこち並んでみたが、中でも1個30円程度の上海水煎包は特に忘れがたい美味しさだった。具だくさんのショウロンポウといったところか。焼き上がった先から飛ぶように売れていく。次回行ったらビールと共に10個くらい平らげたいところだが、それをやってしまうと未知の開拓ができなくなる。台湾はたくさんの店や屋台がひしめいているので過去美味しかった店と未知の味との遭遇のバランス加減が難しい。

4日
4泊5日で台湾にいると、日本に帰ってからしばらくは「謝謝(シェイシェイ)」と思わず言いそうになる。それくらい、台湾では「シャエイシェイ」と「ニーハオ」は日常において欠かせない。極端に言えば、語学に全く自信がなくてもこの二言と指先及びジェスチャーで何とかなるだろう。とはいえそれではあまりに情けないので、今回俺は特にメニューに関することを勉強していった。漢字表記なので、それが麺か飯かくらいまではわかるが、そこから先のどんな麺なのか?どんな飯なのか?までは想像力を働かせるにも限界があるし、得てしてそれは思っていたものと違う。例えば龍鳳湯。名前からすれば宮廷料理のようだが、これは蛇肉入りスープのこと。前回俺はあちこちで「猪血○」なる屋台を数多く見かけた。「豚も鶏も鳴き声以外は全部食べる」と言われる台湾なので、スッポンの血と同様、猪の血を売っているのだと思っていたが、今回事前に調べたところ、猪ではなく豚の血と米を混ぜ合わせて平べったい餅状にし、それにピーナッツの粉とパクチーをかけたものだそう。さて、この説明でなんとなく味のわかる人がいるだろうか?いないだろ。こういう味のわからぬものを食べることにこそ旅の醍醐味があると思う。牡蛎麺線、これは牡蠣入り素麺とも言える一品だが、かなり濃いかつおだしにニンニク、パクチー、牡蛎のエキスが滲み出ていて和風と言えば和風だが、エスニックと言えばエスニック。この味が想像できるだろうか?最初の違和感は相当だが、食べ慣れてくると飲んだ後のシメにちょうどいい。牡蛎の代わりにモツが入ったものを大腸麺線と言うが、どちらも台湾ではかなりメジャーな食べ物で、どこの街や夜市でも食べられる。朝食に俺の横でそれをすすっていた女性はOL風だったが、なかなかニンニクが効いているにも関わらず台湾では気にしないのだろうか。

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