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30日

俺の大好きな江戸東京博物館がリニューアルされていた。結構なことだが、銀座と鹿鳴館のジオラマが綺麗さっぱりなくなっていた。なんでや?評判が悪かったとも思えないが。常設展示だけ見るつもりだったが、真田丸の特別展示があったのでそっちも行ってみた。が、凄まじい人だかり。そもそも真田幸村という大人気武将であることに加えて現在NHK大河ドラマでも放送中であり、その相乗効果によりあの人混みとなったのだろう。あのような状態でまともに全て見ようと思ったら体力がいくらあっても足りない。しかも俺は築地で朝飯を食べたついでの早い時間帯に行ってあの混み具合だったのだから、のんびり昼から出かけた人はそれこそ入場制限でもあったに違いない。
GWということもあり築地は凄まじい人だかりだった。これが最後と、ずっと親しんできた築地の光景を目に焼き付けてきた。次回、築地の店や人々は一体どんな風に様変わりしているのだろう。場外市場の店々などは優先的に豊洲に場所を与えられたのか?俺が築地場外で特に好んで食べたのは「きつね屋」「ラーメン井上」「八千代」「カレー中栄」だが、これらは豊洲に移転するのかね?あと2、30年もすれば豊洲も築地のようないい感じの街になるのだろうが、しばらくは古き良き築地の思い出を胸に我慢するしかない。最も、時を重ねたところで築地の店々はあの狭さも魅力の内なので、それが妙に小綺麗で大きくなってもな。きつね屋が吉野屋風の店になったら面白くも何ともない。俺は東京都民以上に築地と豊洲の変遷が気になるので、次回東京駅着いたら真っ先に築地と豊洲に立ち寄るつもりだ。

23日

東京に着いたら真っ先に食べたいもの、それは俺にとって天丼だ。美味しいラーメンも、美味しい寿司も、美味しい焼き肉も大阪にはあるが、こと美味しい天丼に限っては話は別だ。ここで俺の言っている天丼というのはあくまで江戸前風天丼なので、勘違いなきように。そりゃあ、天丼の店なら大阪にもたくさんある。けれども、揚げたてのそれを豪快に丼つゆにぶちこんでからご飯に乗せる関東スタイルの天丼が関西にはないに等しい。関西の天丼は揚げたネタをご飯の上に並べ、そこにチョロチョロと丼つゆを垂らすスタイルだ。どちらが好きだと問われれば、俺は圧倒的に江戸前スタイルになる。俺の知る限りにおいては京都の天周と大阪駅伊勢丹地下にある銀座天一においてかろうじて食べられるものの、前者は大人気店であり週末であれば2,3時間待ち、後者はデパ地下イートインスペースでの落ち着きない空間で食べるしかなく、しかも掻き揚げに入っているタネが小えびのみ。小柱とまでは言わないが、せめてイカくらいは入れて欲しい。まあ、それでも天一は何だかんだで月に一度は食べに行ってるが。昼が天丼なら夜に食べたいのは焼きトンと煮込みだ。江戸前風天丼と同じく、関西にはまだまだ馴染みが薄い。焼きトンと煮込みについてはまた改めて。

19日

久しぶりに明治神宮に参って表参道へ向かえば、真っ先に俺の関心を引いたのはギャレットなるポップコーン屋だ。何やらアメリカで大人気のポップコーンが日本に上陸したとは以前聞いたことがあるが、おそらくはこの店のことを言っていたのだろう。当時のニュースではここのポップコーンを買うためにわざわざ1時間以上も並ぶそうで、「えらい時代やな...」と思った記憶があるが、その日は大した列でもなく、それならばと興味の赴くままに並んでみた。結局、10分も待たんかったな。頼んだのは一番人気とあったシカゴミックス。後日土産に持って帰ったこれを家で食べたが、びっくりする程ではないものの確かに味が濃厚で美味しい。これなら十分ビールのつまみにもなる。ポリポリやってたら、なくなる頃には何だか食べ切るのが惜しくなってきた。で、大阪にはないものかと検索してみたら、ちゃんとあった。ちゅうか、心斎橋筋商店街ということは、過去何度も店の前を通っていることになる。何で今まで気が付かなかったのか?と思えば、どうやら俺の深層心理的には、たまにしか行かない東京の店はどこも輝いて見えるようだ。新宿思い出横町のそば屋も難波にある松屋そばも大して変わりはないはずなのに、どうも東京の店の方が良く思えてしまう。いつでも行ける店の方を一段低く見てしまうというのは、本来あべこべのことではあるのだが、深層心理に起因する感情なのでどうにも修正ができないのだ。すまない、いつも世話になっている松屋そば。
というわけで先日へたった携帯バッテリー交換のついでギャレットポップコーン買いに行ったのだが、店がない。心斎橋筋商店街の中なので見落とすような場所ではないのだがな。撤退したのか?

16日

今回の東京旅行では以前から気になっていた日高屋に初めて行って来た。関東在住の人にとっては特にどうってことのない店かもしれないが、関西には一軒もなく、中華好きの俺にしてみれば気にならずにはいられない。手軽な中華料理ということで何となく餃子の王将に似たイメージがあったのだが、実際に行ってみれば当たらずと言えども遠からず、といったところだった。悪くはない。俺が注文したのは焼き飯、餃子、担々麺だが、特に感心したのが焼き飯の量の多さ。並盛りを注文したのだが、出てきたそれは大盛りと言っても誰も異論はないであろう程の量がある。一体大盛りを頼んだらどんなのが出てくるのか?ただし、味の方はたまたまだったのか標準なのか、やたらと胡椒が効いている。担々麺も良くもなく悪くもなくといったところだが、こちらもたまたまだったのか標準なのか、やたらと酸味が強い。その反面、胡麻の風味は皆無だ。まあ、500円しないので、あんなもんか。餃子は全く普通の業務用といったところだが、少し放置するだけでとたんに皮が固くなる。ただし、ハーフサイズの3個でも注文できるので、普通に6個食べたいのなら3個を2回注文すれば美味しく食べられるだろう。ちゅうか、そこまでこだわって食べる店でもないわな。次回東京行った際にはニラレバや酢豚などをチェックしてみようと思う。同じくチェーン系で前々から気になっているのが「富士そば」だが、今回もいく暇がなかった。というよりも、常に何かしら食べるので腹の空く間がなかった。富士そばについてはいずれまた。そばと言えば今回食べたのは新宿思い出横町の掻き玉そば、麻布十番の更級そば、日暮里駅前一由そばの五目掻き揚げそばだが、いずれも大満足。一由そばではおつゆの持ち帰りが100円でできるのでこれを土産の一つにしたのだが、東京へは一度も行ったことのない親父に意外と喜ばれた。次回も買って帰るとしよう。

12日

今回の東京旅行ではいろいろなものを食べたが、俺が特に美味しいと思ったのは地元大阪では見向きもしなかったケバブサンドだ。久しぶりに上野の西郷さんに会いに行こうと御徒町で降りてアメ横通って上野公園へ行くつもりで、朝の九時過ぎ、まだ開店準備中の店が目立つアメ横を歩いていると何やら肉のいい匂いがしてきた。焼き肉かハンバーガーかと思えば、その匂いの元はケバブ屋だ。大阪でも店前のベンチで食べるスタイルのケバブサンドはあるが、東京のそれと決定的に違うのは、どれだけ近づいても全く匂いがしない。アメ横のそれは辺り一面に香ばしい肉の香りをまき散らしており、近づいて肉の塊を見てみれば肉汁が旨そうにポタポタと滴っているではないか。大阪で見たときは食べたいとも何とも思わなかったが、ここのケバブは素通り不可能だった。更に驚いたことにその界隈ではケバブ屋が何軒も密集しており、特にその中の一軒の店員もしくは店長またはオーナーの呼び込みのテンションが朝イチから高いというかとにかく陽気だ。で、招かれるままにその店で人生初のケバブサンドを食べてみたが、これが見た目通りに実に旨い。なかなかのボリュームだが、ぺろっと食べてしまった。あまりに美味しかったので六本木交差点にあるケバブ屋でも食べてみた。アメ横のそれには及ばないものの、これまた旨い。この味を期待して大阪で食べてもきっと期待外れやろな。何せ匂いもなければ肉汁も滴ってないしな。それどころか道端の埃を被っているようにさえ見える。よって、自分で作るのが正解だろう。鶏胸か鶏ももを適当にスライスして蒸すか茹でるか炒める。味付けは塩、胡椒、チリパウダーの三種類でいいだろう。後はキャベツかレタス、トマト、オニオンスライスなどと共に食パンに挟めばいいだけ。鶏肉500円分も作れば一体何個食えることやら。こう考えればケバブサンドというのはボロ儲けやな。ケバブサンド?何それ?と思った方も心配無用だ。出店の手軽さや原価率の低さを考えれば今後あっと言う間に日本全国へ分布していくと思われる。けれども、アメ横のそれはまた500円払ってでも食べたいものだ。それくらい美味しかった。今回は定番らしきスパイシーソースで食べたが、次回は本場の味と書いてあったガーリックヨーグルトソースを試してみようと思う。


9日

GWが終わり充電状態はほぼMAXだと言える。今連休のメインは何と言っても東京旅行だった。4泊5日と日程にも余裕があったので、あれこれ満喫してきた。中でも最大の贅沢は鰻の名店中の名店である「野田岩」で白焼きと鰻重のコースを食べたことだろう。正直に言えば、俺が普段使いしている寺田町「船屋」に比して値段分ほどの質の差があるとは思えないが、そこはそれ「音に聞こえたあの野田岩で鰻を食べた」という看板代も含めてのことだ。何しろ江戸時代から大名に鰻を食べさせてきた老舗だからな。俺が驚いたのはその身の柔らかさだ。口に運べば勝手にホロホロとほどけて濃厚な味わいが広がる。皮までが柔らかいというのは不思議な感じだった。決して焼けていないわけではない。十分に焼けている。けれどもパリパリという具合でもない。どう焼けばああなるのか。ちなみに、俺が先付けの鰻の煮こごりで一杯やっている最中にあの名人が店の入り口からふらっと入ってきて厨房へと消えていった。俺の食した白焼きと鰻重はあの名人が焼いたのか、否か?まあ、焼いたということにして、以後一生鰻好きに自慢するとしよう。そう思えば一生に一度の食事代としては決して高くなかったのかもしれない。鰻に興味のない方には何のこっちゃわからんだろうが、これは江戸前鮨に例えればすきや橋二郎で小野二郎さんが握った鮨を食べたに匹敵する。すきや橋二郎といえば安倍さんとオバマさんが訪れたあの鮨屋だ。さて、次回からしばらくはGWにおける雑感や食レポを記したいと思う。