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28日
せっかく良い内容の本なのに、「何故この本に紐の栞(しおり)が付いていないのか?」と思うことがしばしばある。まあ、それなりの厚みであればたいがいは付いているのだが、たまにそれがないのに出くわすと余計に「何故?」と思う。紐を付ける付けないの基準は一体何だ?...などと常々思っている俺は先日とても感激したことがあった。俺の人生お気に入り本ベスト10の中に加島祥造「老子 ヒア・ナウ」という一冊(正確には三種類)があって、この本に出会って以来、俺はもう100回以上は軽く読んでいる。よって、これだけ読み抜いたのだからもう他の著作にも手を出してもいい頃だろうと、同氏の「荘子 ヒア・ナウ」をamazonで注文した。届いて開梱してみると驚いた。何と紐の栞が3本も付いているではないか。しかも、色違いで!読む前から俺はすっかりこの本の虜になった。内容については敢えてあれこれ書くまい。
25日
鮭とば
「とば」と聞いたところで女性にはあまり馴染みがないかもしれないが、ちょっとこだわりのある酒場などで出される一品だ。更にこだわった店では氷頭(ひずと読む、鮭の頭の先端)もメニューに上るが、こっちは滅多に見ない。今回、近江市場で土産に買った「とば」だが、今まで食べた中で最も堅く、そして最も美味しかった。とばとは鮭の身を干して極限まで水分を抜いたもので、ビーフジャーキーにも似ているそれは噛めば噛む程にうま味が滲んでくる。友人への土産にこのとばを配ったが、とても好評だった。
富山ます寿司
これはあの有名なパッケージのあの駅弁のことだ。今まで何度か食べたことがあったつもりなのだが、今回、紙パッケージから出したときの桶状の木の器に驚いたので、案外これは初めて食べたのかもしれない。笹の香りが程良く移っていてとても美味しかった。若干高いと思ったが、これならば納得。次回も必ず買って帰ろう。
21日
職場のビワも鳥に突つかれることなく、いい感じの色に熟してきた。明日から解禁としよう。鳥たちは大して美味しくもないと察する南天の身などは積極的に食べるくせに、ビワやらリンゴには全く手を付けない。単に大きさの問題なのか?けれども、ブルーベリーなども手つかずだしな。選定基準がよくわからん。ビワといえば決して珍しいものではなく、近所でもちょこちょこ実が成っているのを見かけるが、最近の子供たちはそれを摘んで食べたりはしないのだな。もはや、今の子供たちはその辺に成っている実など食べ物であると思っていないのか。料理やら袋詰めの菓子でないと口にしないのか。俺が子供の頃は口に入るものは何でも食べたがな。一番よく食べたのはグミの実だ。正式名は知らないが、そう呼んでいた。あちこちの庭先に成っていた。決して美味しいものではなくて単に酸っぱいだけだったが、あればあるだけ食べたものだ。それがおやつ代わりだった。今思えば立派な天然のビタミン補給だ。花びらをもいで蜜もよく吸ったな。柿やキンカンも手が届けば片っ端から食べた。若竹を引き抜いて皮をめくって食べたこともあったが、さすがにこの時は怒られた。逆に言えば、普通の果実であればそう怒られることはなかった。みんなの心にまだ余裕が残っていた時代のことだ。それらも今や完全に昭和の風景だな。イチジクとビワはご馳走の部類だったが、そんなビワが手つかずとはな。まあ、都会の子供も軟弱になったものだ。その点、田舎の子供たちはまだ逞しさを残しているのだろうか?あるいは大して変わらんのか?ああ、一つ聞いた話を思い出した。誰かがチョークで道路に落書きをした。で、学校中でその犯人探しだそうだ。あほくさ。
18日
俺の耳は至極あっけなく治った。あの夜、医学博士の肩書きを持つ友人にメールを入れてみたところ、「突発性難聴の可能性もあるが、単に耳垢が鼓膜に張り付いた可能性も否定できない。その場合、耳鼻科で吸引してもらえば簡単に聞こえるようになる」といったような内容の返事が返ってきた。というわけで、さっそく綿棒を未だかつて突っ込んだことがない程に耳の奥までそろそろと入れては出しを2回行ったら俺の聴力はあっけなく回復した。感謝。皆にいろいろ心配してもらったので、それについても感謝。ただし、一つ引っかかることがある。今回、俺が感じた医師からのアドバイスに対する絶大な頼もしさを、まるで食後の砂糖菓子のように薬を口にしている病人たちも同様に感じているのだろうか?だとしたら、そんな薬漬けの病人を無知だとか何とか言うわけにもいかないな。
14日
いつものようにニュースを見ながら晩飯を食べていたら、突然、右耳が全く聞こえなくなってしまった。これが突発性難聴というやつか。あるいは、鼓膜が破れた可能性もなくはない。後者ならいいのだが。今日病院に行こうとしたら手近な耳鼻科は全て休診日だった。人間、何か起こって初めて健康の大切さを知るというが、俺の場合、普段から自分が健康であることについてずっと感謝してきたので、こういうことが起こっても案外冷静でいられる。今日は会話にかなり苦労した。今まで味わったことのない感覚だ。人生初めて聴覚障害者の苦労の一端が身に染みてわかった。その学びに対して感謝しよう。見苦しくじたばたしたところで結果は同じだ。片耳がやられたらやられたで、ただそれを受け入れるのみ。
11日
「カレーのチャンピオン」
近江市場へ。その賑わいに、今に残る加賀百万石の凄さの一端を感じる。近江市場では海鮮丼が名物らしいが、海鮮に関しては俺の地元にいい店があるし、食わずとも概ね味の想像が付くのでパスした。代わりに金沢県民が愛してやまない(らしい)金沢カレーの老舗「カレーのチャンピオン」へ。海鮮丼はどこも行列であったが、こっちはすんなりと待ちなしで入店。出てきたそれはカツカレーだが、普通のカツカレーと違うところはキャベツが添えてあるのと、スプーンではなくフォークで食べるところだ。味は普通に美味しかった。
7日
最近、特保のコーラだとか何とか言って俺の周りでも飲んでるやつがいるが、あんなものよく飲めるな。「脂肪の消化吸収を抑える」ということは、言い方を変えれば「脂肪の消化吸収不良を起こす」ということだろ。黒ウーロン茶のような天然成分ならまだいいが、わけのわからん化学物質を飲んでまで脂肪を抑えようとは思わない。飲むならば、糖分覚悟の上で普通のコーラだろ。ただし、俺にとってそれは手製のハンバーガーを作ったときくらいのたまの贅沢だ。ちなみに、今年に入って俺がコーラを飲んだのは2回。一度はハンバーガーを作ったとき。もう一度は淡路島の岩屋で桜鯛のフィレオフィッシュバーガーを食べたとき。要するに、俺は美味しいバーガーを食べるときはどうしてもコーラが欲しくなるということだ。
4日
毎度書くことだが、毎朝、豊かな緑の空間で半時間程過ごせることが俺の人生にとってどれだけ尊い時間になっていることか。今はそこに梅の実がゴロゴロ転がっている。誰も拾う人はなく、ちゅうか、そもそもここには俺しか来ないので、ときおり庭師に会うだけだ。この自然の恵みを持ち帰るべきか否か?持ち帰ってもいいのだが、それは親父に梅酒作りを強いることを意味する。とまあ、毎朝梅の実を眺めてそんなことを悩んでいたら、ぼちぼち実の方が黄色く熟してきた。よって、この身は大地の恵みとしよう。ちなみに通年で俺が最も楽しみにしているのは、夏場になるビワだ。毎朝乾いた喉をビワの食べ放題で潤す。それは食っても食ってもなかなか減らぬ。ビワの木一本がこれ程ありがたいものかと思う。我が家に広い庭でもあればその種を植えるのだがな。今、植えれば最晩年には身にあり付けるのにな。残念だ。
翌月の雑記へ